#10 ブロッコリーと母

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短編絵画

ブロッコリーを茹でる瞬間が好きだ。
沸騰した鍋に入れた瞬間、ブロッコリーが鮮やかな緑色に変わるのがたまらない。

私はブロッコリーの茎も食べられることを知ったのは家を出てからだ。
帰省した時にその話をすると「私は適当だから」と母は言った。

実家のブロッコリーはゆるい、茹ですぎだ。
私は硬めが好きだからそんなに長く茹でたりはしない。

こんなところでふと違いを感じる。
実家を出るとはこういうことなのかもしれない。

親子とはいえ別の人間なのだ。

何だか自分のアイデンティティを知った気がする。

もう一口、ブロッコリーを食べる。
久しぶりに会った母に寂しさを感じた。

メリークリスマス。
北欧ではクリスマスは家族と過ごすのが一般的らしい。

ブロッコリーを見るたびに巨大な樹を手にしてた感覚になる。
クリスマスツリーに例えるには無理があるが家族が揃うのはあと何回あるのだろう。

ブロッコリーを茹でるたびに家族と母を思い出す。

ブロッコリーと母

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