「へー、この枝豆は水の状態から茹でるのか。」
自分の手癖で料理をしているからついついレシピは飛ばして我流でやってしまう。
しかし今夜は楽しみにしていた農家直送の枝豆だ。
「本当はだだちゃ豆が食べたかったけど、仕方ない。」
いったい日本人はどうしてこうも枝豆が好きなのか、あればなくなるまで手に取り無心に食べる。
何とも滑稽であるが、そこもまた愛おしい。
まずはザルに枝豆を入れゴシゴシと擦り合わせて産毛を取る。
「『産毛(うぶげ)』なんて書いてあるとかわいいな。」
そんな自分すら可笑しくてたまらない。
そのまま鍋に枝豆と水、塩は適量を入れる。
鍋に火をつけぐつぐつ茹でる。
枝豆農家のレシピによると鍋が沸騰したら1分で火を切るそうだ。
「そんなに短くて大丈夫か?」と思っていたら沸騰し始めた。
タイマーで1分計る。
その間、唾を飲む。
ピピピー!
次は蓋をして4〜5分蒸らす、この蒸らしが大事だ。
タイマーを4分30秒で設定する。
今夜は冒険をしない、無難で良いから美味しい枝豆が食べたいのだ。
ピピピー!
素早くお湯を捨てザルに枝豆を上げる、ふわっと香る枝豆の匂い。
熱々の枝豆に塩をかけザルごと振る、全体にまぶすように。
「(できた!)」
我慢できず台所で一ついただく。
少し固めのコリっとした歯ごたえ、くちびるに付いた塩を舐める。
「ふふっ」
今日も枝豆も良い香りだ。

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