#5 やかんと麦茶

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短編絵画

これぞ日本人のDNAなのか?
そう思わされることが何度かある。

縁もゆかりもない田舎の田園風景を懐かしんだり、藺草(いぐさ)の香りする畳。
現代の私たちからは遠のいていくものばかりだ。
しかしなぜか我々は過去に経験してもいないそれらを簡単に親しんだりする。

あの香ばしい匂いがたまらないのだ。
出来上がり後のあの香りが。

どっぷりとしたやかん、これじゃないと“頼りない”。

「そう、麦茶をつくるとはそういうことだ。」
と、自分に言い聞かせる。

ふふ、どこかの監督になったようで気分が良い。
今の私は麦茶つくりの総監督なのだ。

この台所に広がる麦畑の中でやかんに麦茶パックを入れ火をつける。
やかんの湯気ならぬ蒸気が心の鼓動とリンクして静かにわくわくするのだ。

ぐつぐつと煮出す。

火を止める。
自分を焦らしながらまだやかんの蓋を開けない。

「今だ!」

そのタイミングで麦茶の香ばしい匂いが台所に広がる。
鼻いっぱいに香りを取り込む。

スゥーはぁー

もう一度

スゥーはぁー

どんな料理も出来立てが美味しいのだ。
湯呑みに手を伸ばし“出来立て”をそそぐ。

買ったばかりのイッタラの鍋敷にやかんを置く。
この淹れたての麦茶の一杯がたまらない。

カーテンから漏れる西日が麦畑を黄金に染めた。

やかんと麦茶

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自分に還るための静かな対話を。

創作や仕事、そして日々の選択。
どんなときも、私たちの内側には「静かな声」が流れています。

けれど、焦りや比較、外からの期待に追われるうちに、
その声がかき消されてしまうこともあるかもしれません。

コーチングは、
“誰かになる”ためではなく、
“自分に還る”ための対話を大切にしています。

あなたが本来のリズムを取り戻し、心の流れと調和して歩めるように。

こんな想いを抱いていませんか?

  • 自分の創作や表現に自信を持てず、立ち止まってしまう
  • アイデアはあるのに、形にできず焦ってしまう
  • 自分のペースを信じたいのに、比較や不安で揺らぐ

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静かに耳を澄ますように、
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