LOVE PSYCHEDELICO NAKED SONGSをレコードで聴いた|デリコの“裸の音”と25年のロックンロール

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LOVE PSYCHEDELICOの『LOVE PSYCHEDELICO NAKED SONGS』をレコードで聴いた。

最初にお伝えすると、僕は音楽理論やオーディオに詳しい専門家ではありません。ここで書いているのは、あくまで一人のリスナーとして、レコードとApple Musicを聴き比べながら感じた個人的な感想です。

なので、音の違いを専門的に説明するというよりも、「この音を聴いて、自分の中で何が起きたか」という体験の記録に近いと思う。

でも、それでいい気もしている。
音楽は、知識で聴くものでもあるけれど、最後は身体で受け取るものでもあるから。

ちなみに、今回使ったヘッドホンについては、前回「ヘッドホンで音楽に没入したくて、流し聴きから“聴く時間”を取り戻した話」という記事を書いています。

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その記事でも少し触れたけれど、ATH-M50xBT2を買って最初に聴いたのが、この『LOVE PSYCHEDELICO NAKED SONGS』だった。

ヘッドホンを買った日に、たまたまこのレコードも買った。

これはもう、聴くしかない。

そんな流れでした。

目次

LOVE PSYCHEDELICOというロックンロール

LOVE PSYCHEDELICO、通称デリコ。ボーカルのKUMIさんと、ギターのNAOKIさんによる日本のロックバンド。2000年にメジャーデビュー。60〜70年代のブリティッシュ&アメリカン・ロックに根ざしたサウンド、日本語と英語が自然に行き交う歌詞、KUMIさんのボーカル、NAOKIさんのギター。

その全部が、デリコの音を形づくっている。

僕の中でデリコといえば、やっぱり英語と日本語が自然に混ざり合う歌詞、60〜70年代のロックンロールを感じるサウンド、そしてどこか風が吹いているような自由さがある。

日本語なのに、英語のように聴こえる。

英語なのに、日本語の情緒がある。

言葉が意味だけではなく、音として流れていく感じ。

初めて「Last Smile」を聴いたときの衝撃は、今でもなんとなく覚えている。

こんな日本のロックがあるのかと思った。
憂いがあって、悲しみがあって、でも湿っぽくなりすぎない。

英語と日本語が入り混じる歌詞も、当時の自分にはかなり新鮮だった。
デリコの音楽には、ずっと一貫しているものがあると思う。

ラブ&ピース。
ロックンロール。
60〜70年代の匂い。

でも、ただ懐かしいだけではない。
昔のロックをそのまま再現しているのではなく、今の時代に鳴らすためのデリコの音になっている。
その“変わり続けながらも変わらない感じ”に、僕はとても惹かれている。

初めて観たデリコのライブは、LIQUIDROOMだった

僕が初めてデリコのライブを観たのは、2025年の「25th Anniversary “LIVE PSYCHEDELICO 2025” Swingin’ Nights」。

東京・LIQUIDROOMでの2日間の公演だった。

1日目はGLIM SPANKYの松尾レミさんがゲスト出演した日。
2日目はワンマン。
この2日間が、本当に良かった。

デリコって、こんなにもロックンロールを貫き続けてきた人たちなんだ。

そう思った。

ただ、ここでいうロックンロールは、ただ激しい音を鳴らすという意味ではない。

もっと根っこにあるもの。

60〜70年代のロック。
ブルース。
フォーク。
カントリー。
ラブ&ピース。

みんなで揺れるフロア。
KUMIさんの声。
NAOKIさんのギター。

全部が幸せな空間だった。

1日目の松尾レミさんとの共演も良かった。ジャニス・ジョプリンのカバーも、GLIM SPANKYとの共作曲も、デリコの音の中にレミさんの声が入ることで、また別の火が灯っていた。

2日目のワンマンも良かった。長く聴いてきた人たちの時間と、初めてその場にいる自分の時間が、同じフロアで重なっている感じがした。

僕はデリコの25年をずっと追いかけてきたファンではない。
むしろ、ライブにちゃんと行くようになったのは最近。

でも、だからこそ思った。
25年続けるって、すごい。
変わりながら、変わらないものを持ち続けるって、すごい。
そのことに、胸がいっぱいになった。

LINE CUBE SHIBUYAで聴いた、活動休止前のデリコ

LOVE PSYCHEDELICO 25th Anniversary Tour
LOVE PSYCHEDELICO 25th Anniversary Tour

その後、「LOVE PSYCHEDELICO 25th Anniversary Tour」のファイナル、2026年4月22日、東京・LINE CUBE SHIBUYA公演にも行った。

チケットを取ったあとに活動休止のニュースを知って、かなり驚いた。
でも、ライブは湿っぽい別れというより、祝福のような時間だった。
KUMIさんが明るい声でステージを去っていったのも印象的だった。

25年の旅の一区切り。

NAOKIさんのソロパートも良かった。
ブルースも良かった。ボブ・ディランの「Like A Rolling Stone」のカバーも良かった。

デリコの根っこにある音楽が、ステージの上でそのまま鳴っていた。

そして最後に「Your Song」を歌ってくれた。

本当に良かった。

「Your Song」の“Your”は、デリコの二人でもあり、僕らでもあるような気がした。
誰か一人に向けた歌でありながら、そこにいる全員へ開かれている。
活動休止前の最後のライブでこの曲を聴けたことは、とても大きかった。

『LOVE PSYCHEDELICO NAKED SONGS』とは

『LOVE PSYCHEDELICO NAKED SONGS』は、デリコのデビュー25周年を記念して制作されたセルフリミックス・アルバム。

収録されているのは、NAOKIさんが厳選した9曲。
NAOKIさんは「置き土産」とも言っていた。
ただのベスト盤ではない。ただのリマスターでもない。

“当時、本当はこう鳴らしたかった音”に、今の技術と感覚で向き合い直した作品。

このアルバムは、NAOKIさんが「当時脳裏に描いていた本来の、本当の完成形」を具現化することを意図して制作されたセルフリミックス作品だそう。

初期作品には、学生時代のデモテープがそのまま作品としてリリースされたものもあり、当時は技術や時間の制約から理想のサウンドを表現しきれなかった背景があったという。

公式YouTubeでも、NAOKIさん本人がリミックス作業をしている様子や、KUMIさんと二人でインタビューを受けている映像が公開されていた。

それを観てから聴くと、このアルバムの聴こえ方がかなり変わる。
当時は技術や時間や環境の問題で届かなかった音。
それを今、もう一度掘り起こしている。
タイトルにある「NAKED」は、まさに裸の音という感じがする。

Apple Musicとレコードで聴き比べてみた

今回は、Apple Musicとレコードの両方で聴いてみた。
どちらもBluetoothではなく、有線で聴いている。Apple Musicは、iPhoneにApple USB-C – 3.5 mmヘッドフォンジャックアダプタをつないで、ATH-M50xBT2に有線接続。

レコードも、プレーヤーからヘッドホンへ有線接続。ちなみに、ヘッドホンや有線接続については前回の記事でも書いています。

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正直に言うと、細かな音の違いを専門的に説明することはできない。
でも、感覚としてはかなり違った。

Apple Musicのほうは、クリア。
音が整理されていて、すっと耳に入ってくる。

一方で、レコードは生々しい。
少しざらっとしている、音に肌ざわりがある。
きれいに整えられた音というより、そこにあった音が鳴っている感じがする。

レコードのほうが良い、Apple Musicのほうが良い、という話ではない。

どちらも良い。
ただ、レコードで聴く『NAKED SONGS』は、タイトルの通り“裸の音”に近づく感じがあった。
音が目の前に立っている。
そういう生々しさがあった。

全9曲をレコードで聴いた感想

LOVE PSYCHEDELICO NAKED SONGS

ここからは、収録曲ごとの感想を書いていきます。
あくまで個人の感想です。
音楽的な分析というより、聴いていて自分の中に残ったもののメモです。

A面 M1:Free World (Naked New Mix)

出だしのズシンとくる感じがいい。
ライブでも定番の曲で、サビではフロアが横に揺れるような一体感があったのを思い出す。
この曲はギターもかっこいい。
ローリング・ストーンズを意識したようなギターの鳴り方があって、そこにホーンが絡む。

ヒビ割れたような、少しビバップっぽいようなホーン隊の質感も良い。
音が鳴っていて、世界が少しずつ開けていく感じがする。

A面 M2:Your Song (Naked New Mix)

アコースティックギターのリズムが心地よい。
サビのコーラスが美しい。
この曲は、僕の中ではLINE CUBE SHIBUYAで最後に聴いた記憶と結びついている。

活動休止前の最後のライブで演奏された曲。
その体験があるから、レコードで聴いていても少し胸にくるものがある。
「Your Song」というタイトルの“Your”は、デリコの二人でもあり、僕らでもあるように感じる。

A面 M3:Last Smile (Naked New Mix)

イントロのアコースティックギターがたまらない。

生々しい。本当に、そこにNAOKIさんがいてギターを弾いているように感じる。

この曲は、デリコを象徴する一曲だと思う。
デビュー3枚目のシングル曲。
僕自身、この曲を初めて聴いたときの衝撃は覚えている。

こんな日本のロックがあるのかと思った。
憂い。
悲しみ。
英語と日本語が入り混じる歌詞。
KUMIさんの声。

すべてが衝撃的だった。

A面 M4:Hello (Naked New Mix)

イントロのギターから、プログラミングのサウンドが絡み合うのが印象的。
そのあとに入るエレキギターが、曲全体を支えている感じがする。
3曲目までは打ち込みの印象が強かったけれど、この曲はドラムの温かさがあるように感じた。
もちろん、細かなことはわからない。

曲の最後にフェードアウトしていく音も好きだ。
音が消えていく瞬間に、録音された空気が残る。

B面 M1:FLY (Naked New Mix)

この曲はベースが印象的だった。
Aメロのベースラインが耳に残る、グルーヴがある。

今回の『NAKED SONGS』では、この曲のベースがかなり重要なのだと思う。
NAOKIさんはずっと「このフレーズは生演奏だろう」と感じていたという。
今回のリミックスでは、生ベースに差し替えることで、25年を経て本来の形に近づけたとされている。

間奏で妖しく鳴るギターも良い。
奥に聴こえるシンセサイザーの音もたまらない。
こういう少し妖しい曲にも、KUMIさんの声がよく合う。
というか、これもまたデリコっぽいサウンドだなと思う。

乾いているのに、艶がある。
ロックの、どこか夜の匂いがする。

B面 M2:It’s Ok, I’m Alright (Naked New Mix)

最初に鳴るユニークな音が気になる。マンドリンだろうか。
細かい楽器名まではわからないけれど、いろんな音が集まったバンドサウンドから始まる。

AメロのKUMIさんのメロディーが素敵だ。
「It’s Ok, I’m Alright」と歌うサビ。
でも、決して明るいポップソングではない。
むしろ、何かが終わったあとの曲のように感じる。

終わりから始まる。
それでもまた、Another day of lifeがある。

B面 M3:Love Is All Around (Naked New Mix)

コーラスとピアノから始まる。
そこから「Well Well」と明るく歌い出す。
サビに向かって、どんどん音が重なってくる感じが気持ちいい。

デリコが歌うLOVEソングは、こうでなくっちゃと思える曲。
愛と平和。

個人的に、この曲には落ち込んでいたときに救われた記憶がある。
音楽を正面から受け取るというより、音の中を歩く感じがある。

B面 M4:“O” (Naked New Mix)

ライブでも盛り上がるロックンロールナンバー。
この『NAKED SONGS』の中では、一番激しい曲。
ギターがかっこいい。

でも、ここまで聴いていて思ったのは、デリコのサウンドはギターだけではないということ。
もちろんNAOKIさんのギターは印象的だ。

でも、その後ろで鳴っているオルガンやシンセサイザーが、かなり色を加えている。
それがあるから、ただのギターロックではなく、デリコの音になる。

B面 M5:Bye Bye Shadow (Naked New Mix)

アルバム最後にこの曲を持ってくるとは。
聴き終わって、そう思った。

でも、すごく納得もした。
デリコって、こういうロックンロールバンドなんだと思う。
激しい曲で締めるのではない。
大きな感動を押しつけるのでもない。

アコースティックサウンドで、明日を歌う。
ペダルスティールも、パーカッションも、曲の世界観を作っている。

ラブ&ピースが根っこにある。
「愛だけがこぼれてゆく tomorrow」
また明日も愛がある。
そんな曲でアルバムが終わる。

デリコの25年は、裸の音になってもロックンロールだった

『LOVE PSYCHEDELICO NAKED SONGS』を聴いていて思ったのは、これは単なる懐古ではないということだった。

25年前の曲を、今の技術で磨き直したアルバム。そう言うこともできる。
でも、僕にはもっと人間くさい作品に聴こえた。

本当はこうしたかった。
あのときはできなかった。
でも今ならできる。
だからもう一度向き合う。
その感じが、とても誠実だと思った。
『NAKED SONGS』は、過去を否定している感じがしない。
むしろ、当時の曲たちをもう一度抱きしめているようなアルバムだと思った。

僕は、デリコを25年間ずっと追いかけてきたファンではない。
もちろん昔から曲は知っていたし、「Last Smile」や「Your Song」には触れてきた。
でも、ライブに行って、今のデリコを身体で受け取ったのは2025年が初めてだった。
だから、少し不思議なタイミングだと思う。

25周年。
LIQUIDROOM。
LINE CUBE SHIBUYA。
活動休止。
そして『NAKED SONGS』。

長い旅の終盤で、僕はデリコの音楽に改めて出会った。
もっと早くライブに行っていればよかった、と思った。
でも、たぶんこのタイミングだったからこそ受け取れたものもある。

25年続いた音楽が、今ここで自分の生活に入ってきた。
NAOKIさんと誕生日が同じという、ものすごく勝手な親近感もある。
本当に勝手だけど(笑)
でも、そういう小さな偶然も含めて、音楽との出会いは面白い。

『LOVE PSYCHEDELICO NAKED SONGS』は、デリコの25年を“裸の音”で聴き直すアルバムだった。

Apple Musicで聴くと、クリアで美しい。
レコードで聴くと、生々しくて、音の肌ざわりがある。

どちらも良い。
でも、レコードで聴いたとき、僕は少しだけ曲の奥に近づけた気がした。
デリコの魅力は、やっぱりラブ&ピースとロックンロールだと思う。
それを25年、変わり続けながらも変わらずに続けてきたこと。

2025年に初めてライブを観たとき、僕はそれを真正面から受け取った。

嬉しさ。
憧れ。
なんとも言えない胸のいっぱいさ。

デリコの音楽は、これからも残る。
愛を歌い続けること。
明日を歌うこと。
それもロックンロールなのだと思う。

『LOVE PSYCHEDELICO NAKED SONGS』。

このアルバムには、デリコの25年分の音がある。
裸になっても、やっぱりロックンロールだった。
それが、なんだか嬉しかった。

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