このブログは、30年という短い人生でパリの街並みを描き、傑作を残した伝説的な画家、佐伯祐三について紹介しています。彼の内面を浮き彫りにするかのような風景画、そして反芻して得た境地を表現するマチエールや線など、彼の作品の特徴について触れています。また、東京ステーションギャラリーでの展示についても紹介しています。
描くことに人生を捧げた伝説の画家
大好きな画家、佐伯祐三について紹介します。
彼は宇都宮美術館で展示会を観に行ったことがあり、憧れの画家でもあります。
彼は30年という短い人生で、パリの街並みを描き、傑作を残し、今でも伝説の画家として知られています。
初めてフランスを訪れた際、ヴラマンクから「アカデミック!」と絵を否定されました。
その後彼が描いたのがこの《立てる自画像》です。
この否定によって彼は苦しい人生を送ることになりましたが、粉々になったプライドが輝き、傑作を残すキッカケになったと思います。
佐伯祐三は自画像や肖像画は少なく、風景画を描いています。
しかしそれらの風景画こそが彼の内面を浮き彫りにしているかのようです。
反芻して反芻して得た境地
パリに行ってから彼の画風は変わりました。
彼は何かに憑かれたように猛烈な勢いで制作し、独自のマチエールを会得しました。
絵の具をカンヴァスの上で混ぜさらに引っ掛けることで重厚感を出しました。
彼のポスターの文字も段々とリズムを生むようになり、線になっていきます。
太い線、細い線、これらの線全てが作品を構成する重要な要素になってきます。
これは画家が反芻した末に得られた境地だと思います。
また全体的に重たく暗い街並みに人はあまり登場しません。
ですが、様々な色が重なり“正しい色”がなく混沌とした状態の中に人がいる気配があります。
この暮らしの気配があるのもマチエールのおかげかもしれません。
晩年には人を描きます。
風景画に内面を表現できたように、肖像画でもその人柄を描けるようです。
この郵便配達の男性はきっと物静かでちょっぴり不思議な人だったと思います。
佐伯祐三と東京ステーションギャラリー
晩年の作品「煉瓦焼」もそうですが、佐伯祐三の世界観には東京ステーションギャラリーがぴったりです。
古き煉瓦と重厚な鉄骨の美術館の中で彼の作品が飾られています。
これは絶好のシチュエーションだと思います。
運良く初日に鑑賞できました。マチエールや原画が素晴らしいので、是非足をお運びください。
彼の作品は画集や写真では分からない魅力があります。
展覧会情報:大阪会場
展覧会名
特別展「佐伯祐三-自画像としての風景」
開催期間
2023年4月15日(土)~6月25日(日)
開館時間
10:00~17:00
※入館は16:30まで
休館日
月曜日(5月1日は開館)
会場
大阪中之島美術館
展覧会情報:東京会場
展覧会名
特別展「佐伯祐三-自画像としての風景」
開催期間
2023年1月21日(土)~4月2日(日)
開館時間
10:00~18:00(金曜日~20:00)
※入館は閉館の30分前まで
休館日
月曜日(3月27日は開館)
会場
東京ステーションギャラリー
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