2025年2月、横浜美術館が待望の全館リニューアルオープンを迎えました。今回は「おかえり、ヨコハマ」展と淺井裕介氏の「八百万の森へ」という2つの展示を中心に、新しく生まれ変わった横浜美術館の魅力をご紹介します。
歴史と現代が交差する空間デザイン

「グランドギャラリー」
リニューアル後の横浜美術館で最も印象的なのは、オルセー美術館を彷彿とさせる「グランドギャラリー」です。この大空間は美術館の中心として位置づけられ、無料で開放された「じゆうエリア」となっています。バリアフリーに配慮された設計で、誰もが自由に芸術と触れ合える開放的な雰囲気を醸し出しています。柔らかな自然光が差し込む空間は、作品鑑賞の疲れを癒やしてくれる居心地の良い場所となっています。
「おかえり、ヨコハマ」展:西洋美術の至宝との再会
展覧会は「横浜」をテーマに8つの章で構成され、特に第7章「美術館が、ひらく」と第8章「いよいよ、みなとが、ひらく」では、世界的な巨匠たちの作品が私たちを出迎えてくれます。
印象的な作品たち

フランシス・ベーコンの《座像》では、大胆な筆致と絵具の盛り上がりが独特の存在感を放ちます。

奈良美智さんの《春少女》は、愛らしさの中に2012年の震災後の春を想起させる、どこか切なさを帯びた表情が心に残ります。

《ガラの測地学的肖像》

《女の肖像(マリ=テレーズ・ワルテル)》
サルバドール・ダリの《ガラの測地学的肖像》は、テンペラという技法を用いて、普段のシュルレアリスム作品とは一線を画す写実的な表現を見せています。パブロ・ピカソの《女の肖像(マリ=テレーズ・ワルテル)》では、鮮やかな原色使いとキュビスムの構成美が、モデルの内面的な不安定さを巧みに表現しています。

展覧会のビジュアルにも採用されたルネ・マグリットの《王様の美術館》は、現実と表象の境界を問いかける作品です。人物の背景が透けているのか、それとも人物の体が窓なのか。日常的なモチーフを非日常的な文脈で描くことで、私たちの「現実」認識に新たな視点を投げかけています。
淺井裕介《八百万の森へ》:土地と共に生きるアート

コレクション展の目玉となる淺井裕介の《八百万の森へ》は、横浜の地と深く結びついた作品です。横浜市内の土を素材として使用し、高さ約3メートルに及ぶ9枚のパネルを組み合わせた大作は、圧倒的な存在感を放ちます。




淺井氏の特徴である、土や水、マスキングテープ、ペンといった身近な素材を用いた表現は、動植物や自然の精霊たちを生き生きと描き出します。展示空間に合わせてパネルの組み合わせを変えられる点も、作品の新しい魅力を引き出す工夫となっています。

あまりに好きになってしまい、作品集「この場所でつくる Yusuke Asai Art Works 2011-2015」を後日購入しました。代々木公園の地面のイラストも淺井さんだったんですね、本当に好きな世界観です。
新しい美術館体験の始まり
リニューアルされた横浜美術館は、単なる展示空間を超えて、アートと人々が自由に出会い、対話する場として生まれ変わりました。温かな光に包まれた館内では、来場者それぞれが自分のペースで作品と向き合い、新しい発見を楽しんでいます。
動線も工夫され、美術館全体を有機的に巡ることができる設計は、まるで芸術の旅に出かけるような体験を提供してくれます。現代美術から西洋の巨匠まで、幅広いコレクションを擁する横浜美術館は、これからも私たちに新鮮な芸術との出会いを約束してくれることでしょう。

展覧会情報①:横浜美術館リニューアルオープン記念展「おかえり、ヨコハマ」
展覧会名
横浜美術館リニューアルオープン記念展「おかえり、ヨコハマ」
開催期間
2025年2月8日(土)~6月2日(月)
開館時間
10時~18時(入館は閉館の30分前まで)
休館日
木曜日(ただし3月20日[木・祝]は開館)、3月21日(金)
会場
横浜美術館
Webサイト
https://yokohama.art.museum/exhibition/202502_welcome_back_yokohama/

《横浜の子どもたちへ》
展覧会情報②:コレクション展「淺井裕介《八百万の森へ》」
展覧会名
コレクション展「淺井裕介《八百万の森へ》」
開催期間
2025年2月8日(土)~6月2日(月)
開館時間
10時~18時(入館は閉館の30分前まで)
休館日
木曜日(ただし3月20日[木・祝]は開館)、3月21日(金)
会場
横浜美術館 ギャラリー5
Webサイト
https://yokohama.art.museum/exhibition/202502_collection/
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