杉本博司 本歌取り 東下り展:日本文化と現代アートの交差点

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渋谷区立松濤美術館で開催されている「杉本博司 本歌取り 東下り」の展示を鑑賞し、その素晴らしい体験をご紹介したいと思います。この展覧会は、杉本博司氏の「本歌取り」をテーマにした素晴らしいコレクションで、日本文化と西洋文化の交差点で織りなされる美を楽しむことができました。

目次

本歌取り 東下り

杉本博司氏は、和歌の伝統技法である「本歌取り」を芸術制作の中核に据え、その作品に日本文化の精髄を注ぎ込んでいます。彼の作品は、2022年に姫路市立美術館で「本歌取り」展として初めて展示され、今回は東京で新たな展示として「本歌取り 東下り」として再び私たちの前に現れました。

富士山図屏風

《富士山図屏風》
杉本博司

この作品は、葛飾北斎の有名な絵画「冨嶽三十六景 凱風快晴」に触発された新作です。北斎の「赤富士」が描かれたとされる富士山を、杉本氏は「本歌取り」のスタイルで再解釈しました。山梨県三ツ峠山からの富士山の姿を捉えたこの作品は、山の雄大さと美しさを見事に表現しています。

Brush Impression

「文字の起源とは何か」「文字によって生み出される言葉の意味とは何か」という哲学的な問いに向き合う杉本氏の新作「Brush Impression」は、写真と書の技法を巧みに組み合わせたシリーズです。写真暗室で筆を使い、現像液や定着液に文字を書くという斬新なアイデアは、彼独自の発想力を示しています。

フォトジェニック・ドローイング

杉本氏は写真を通じて現実の「本歌取り」を行うと考えており、この展示ではウィリアム・ヘンリー・フォックス・タルボットの初期写真からインスピレーションを受けた作品も見ることができます。タルボットのネガからポジ(陽画)を制作し、約180年前の世界を逆さまに表現しています。この作品は、時間と光の魔法を魅力的に伝えています。

海景

《相模湾、江之浦》
杉本博司

「海景」シリーズは、古代の風景と現代の風景の交差点を探求する杉本氏の問いを反映しています。海と空の境界を描き出すこのシリーズは、静謐さと広大な景色を通じて私たちに深い感銘を与えます。特に相模湾の江之浦の海を写した新作品は、この展示で初めて公開されました。

芸術の交差点で感じた感動

《歴史の歴史東西習合図》
杉本博司

鑑賞中、私は特に杉本氏が西洋と東洋の観念を結びつけ、古典作品が写真を通じて現代作品として新たに生まれ変わる瞬間に感動しました。彼の作品は、文化と芸術の交差点で、過去と現在が共存し、新たな価値が生まれる素晴らしい実験です。展示会を通じて、光、時間、環境の変化を探求する杉本氏の芸術の進化を感じることができ、その魅力に圧倒されました。

《カリフォルニア・コンドル》
杉本博司

「杉本博司 本歌取り 東下り」展示は、日本文化の美しさと現代アートの融合を見る絶好の機会であり、是非訪れてみてください。美しい作品と共に、杉本氏の芸術の旅に触れ、その進化の過程を体感してください。

《歪曲的宇宙観》
杉本博司

渋谷区立松濤美術館:建築と芸術の調和

杉本博司氏の芸術展示だけでなく、美術館自体も魅力的な場所です。渋谷区立松濤美術館は、1980年に戦後日本を代表する建築家の一人である白井晟一氏の設計により開館しました。この美術館の建物は、外部空間を内部に取り込む工夫がされており、訪れる者に特別な体験をもたらします。

建物の中心には、地下2階から地上2階まで4層分を貫く吹き抜けがあり、入り口から直進すると吹き抜けに渡されたブリッジに出ます。吹き抜けの下には、噴水のある泉が設置されており、絶え間ない水音や反射する光が五感を刺激します。美術館の建物自体が芸術品のように美しく、訪れるたびに溜め息が出るほどの美しさに魅了されます。

美術館の建築は、狭い敷地を最大限に活用するために工夫が凝らされています。白井晟一氏の設計により、美術館は建物と自然の調和を追求しており、外部と内部が一体となっています。建物自体が芸術作品のような存在で、訪れるだけで建築と芸術の魅力に触れることができます。

美術館の魅力は、展示だけでなく建築そのものにも広がっており、芸術愛好家や建築ファンにとって、一度訪れる価値がある場所です。杉本博司の展示を楽しむ一環として、美術館の建築と芸術の調和を感じてみてください。松濤美術館は、美術と建築が交差する場所で、芸術への新たな扉を開いてくれます。

展覧会情報

展覧会名
杉本博司 本歌取り 東下り

開催期間
2023年9月16日(土)~11月12日(日)
前期:9月16日(土)~10月15日(日)
後期:10月17日(火)~11月12日(日)
※会期中、一部展示替えあり

開館時間
午前10時~午後6時(金曜のみ午後8時まで) 
※入館は閉館時間の30分前まで

休館日
月曜日(ただし、9月18日、10月9日は開館)、9月19日(火)、10月10日(火)

会場
渋谷区立松濤美術館

Webサイト
https://shoto-museum.jp/exhibitions/201sugimoto/

Tomorebi

Tomorebiは、Tomo + Komorebi(木漏れ日)から生まれた言葉です。
「光が当たる場所とそこに映る影を描く」ことをテーマに日々の暮らしに寄り添う作品を描いています。
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Gallery Tomorebi

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