先日、東京国立博物館 平成館にて開催された「開創1150年記念 特別展『旧嵯峨御所 大覚寺 -百花繚乱 御所ゆかりの絵画-』」を拝観いたしました。その荘厳かつ華麗な世界は、心に深く刻まれるものがあり、伝統美と現代の感性が見事に融合する様相に、ただただ感動しました。
展覧会全体の印象

会場に足を踏み入れた瞬間、静謐な空気の中に厳かな趣が漂い、密教美術の至宝「重要文化財 五大明王像」が堂々と展示され、その荘厳さに圧倒されました。第1会場の第一章においては、不動明王を中心に、五体の明王が静かに並び、訪れる者の心を引き寄せるかのようでした。さらに、第2会場では、広々とした空間に華やかな障壁画が一挙公開され、まるで古の物語がそこに息づいているかのような錯覚に陥りました。写真撮影が許されるフロアも用意され、作品の細部に至るまで余すところなくその美を堪能できる工夫が感じられました。
最も印象深かった作品とその魅力
特に心に残ったのは、第2会場に展示された華麗な障壁画です。
息づく物語の世界


壮大な空間に描かれた「水辺に佇むオシドリ」や「つがいの白鷺」、または伸びやかな野草と多様な姿勢の兎たち。これらの絵画は、日本画ならではの繊細な筆致と情感にあふれ、まるで生きた物語が静かに語りかけてくるかのようです。
時の流れと無限の広がり


すやり霞のように柔らかく表現された雲の群れからは、時間の経過とともに広がる無限の世界観が感じられ、鑑賞者に深い感銘を与えました。
展示作品の特徴とその細部
展示された作品群は、格式高い美意識と歴史の重みを感じさせるものでした。
牡丹と梅の華やかな表現


牡丹図は、そのふんわりとした花びらの広がりに、見る者を魅了し、紅白梅図では、小さなながらも繊細な紅白の梅の花々に、優雅な趣を感じることができました。
障壁画に込められた伝統の物語

それぞれの作品には、古来から伝わる技法と情熱が凝縮されており、歴史と伝統の重みが見事に表現されてました。
歴史と背景への想い
展示会では、大覚寺における月毎の行事や四季折々の風景を映像で紹介することで、静謐な空間に厳かな儀式の様相が重なり、観る者に一層の臨場感を与えました。

大覚寺の四季の彩り
映像を通じ、春の瑞々しい青、夏の青々とした草、秋の深い紅葉、そして冬の厳かな雪景色が、四季折々の美しさとして映し出され、まるでその場にいるかのような錯覚に陥りました。
ドローン映像による御冠の間への誘い
また、ドローンによる撮影映像は、実際に大覚寺の敷地内を歩むかのような臨場感を与え、御冠の間への導きは、まさに心躍る体験でした。
展示会を最大限に堪能するためのご案内
ご来場される皆様に、以下の点を参考にしていただければ、より一層その魅力を味わうことができると存じます。

写真撮影可能なフロアの見所
第1会場の最終部と第2会場の第4章では写真撮影が可能です。特に、華やかな障壁画を確実に記録されたい方は、朝一番に第2会場へ向かわれることをお勧めいたします。
刀剣ファンのための貴重な逸品
また、「重要文化財『太刀 銘 □忠(名物 薄緑〈膝丸〉)』」や「重要文化財『太刀 銘 安綱(名物 鬼切丸〈髭切〉)』」といった刀剣も展示されており、普段はなかなか目にすることのない歴史的な宝物に出会うことができます。
結びに
今回の展示会からは、物語性を作品に込めることで、絵画に無限の広がりをもたらすという貴重なインスピレーションを得ることができました。
自然界の生命と人の営みの重なり




牡丹、梅、オシドリ、白鷺などの自然のモチーフには、人の営みが静かに映し出され、鑑賞者自身の内面にも深い感動を呼び覚ます力がございます。これらの表現は、今後の創作活動において、さらなる高みを目指すための大いなる糧となることでしょう。
この展示会は、伝統美と現代の感性が見事に調和した、まさに「百花繚乱」の趣きを感じさせる催しでございました。雅やかな美と歴史の重みが、心に深い感動をもたらし、未来への創作活動に新たな息吹を吹き込むことと確信いたしました。
ぜひ、雅な空間で歴史の息吹に触れ、その美の饗宴をご堪能ください。

展覧会情報
展覧会名
開創1150年記念 特別展「旧嵯峨御所 大覚寺 -百花繚乱 御所ゆかりの絵画-」
開催期間
2025年1月21日(火)~3月16日(日)
※会期中、一部作品の展示替えを行います。
前期展示:1月21日(火)~2月16日(日)/ 後期展示:2月18日(火)~3月16日(日)
開館時間
午前9時30分~午後5時
※入館は閉館の30分前まで
休館日
月曜日(ただし2月10日、24日は開館)、2月25日(火)
会場
東京国立博物館 平成館
Webサイト
https://tsumugu.yomiuri.co.jp/daikakuji2025/

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