アーティゾン美術館で開催されている「ABSTRACTION 抽象絵画の覚醒と展開 セザンヌ、フォーヴィスム、キュビスムから現代へ」を鑑賞してきました。この展覧会は、抽象絵画の歴史をたどる大規模な展示で、フランスを中心としたヨーロッパ、アメリカ、日本の作品約250点が展示されています。
近代絵画の父 ポール・セザンヌ
最初にセザンヌの作品から始まる本展示に、印象派への敬意を感じさせました。
そして本展示を通して絵画の人の心を描き出す力に触れました。また、フォーヴィスムの色鮮やかさやキュビズムの幾何学的な美しさ、抽象絵画の覚醒にも魅了されました。
抽象芸術の源泉
まずは印象派の作品から。この印象派の動きがなければ心象風景を描くことはなかったかも知れません。
マネやゴッホ、モネといった巨匠たちがお出迎えしました。
フォーヴィスムとキュビスム
《画室の裸婦》
《ヴァイオリンを弾くヴラマンクの肖像》
《女の頭部》
《円卓》
《ブルゴーニュのマール瓶、グラス、新聞紙》
《赤い背景のエチュード》
そしてそのままフォーヴィスムへと雪崩れ込みます。色彩の豊かさと力強いタッチが印象的です。本展はアンドレ・ドランにも注目してましたね。どこかセザンヌの影響も垣間見えました。
そしてキュビズム、ジョルジュ・ブラックとパブロ・ピカソは欠かせませんね(秋に国立西洋美術館で開催されるキュビズム展が楽しみです。)
印象派と違い、感情を削げ落としていますが、幾何学的な美しさがキャンバスに描かれています。
抽象絵画の覚醒
《小さな抽象的ー建築的油彩
(黄色と青色の球形のある)》
《自らが輝く》
《砂丘》
《入口、1961》
《黒い雲》
《赤い鬼》
そして本展の「抽象絵画の覚醒」のコアとなるエリアはこちらではないでしょうか?
パウル・クレーやヴァシリー・カンディンスキー、そしてピート・モンドリアンといった芸術家の進出です。キュビズムからさらに理論的なアプローチとコンポジションを使った手法でより絵画に複雑性が増しました。
《10番街》
《水に沈んだ都市》
《夜の女と鳥》
《プッシュ・アンド・プル II》
《一月》
《無題(闘牛)》
《ファースト・ブリザード》
《ブルー・ミシガン》
そして理論と共に偶発性や感情を叩き込み描く画家も出現してきました。キャンバスに直接絵の具を置いたり、その上を手や足を使って描いたりなど。理論・感情・偶発性、様々なアプローチから抽象絵画を覚醒させ新たな展開へと導いていきました。
日本の抽象絵画の展開
《朱の丸》
《子供》
《フロム・ピンク》
《無題(無限の網)》
《黄色いかげ》1
《ユートピア》
日本の画家たちも西洋文化を受けつつ独特の感性で描いていますね。特に好きだったのが岡田謙三でした。どこか小村雪岱を彷彿させるような大胆な余白が印象的です。また近代のせいか作品がどこかデザインやイラスト寄りにも見えました。
現代までの美術の変遷
《07.06.85》
《T1989-H35》
展示会後半では、抽象絵画の歴史的な重要作品だけでなく、アーティゾン美術館の新収蔵作品や海外の美術館、個人コレクションからの作品も展示されます。また、アンス・アルトゥング、ピエール・スーラージュ、ザオ・ウーキーといった巨匠たちの後期作品や、現代の抽象絵画作家たちの作品も特集されています。
《Untitled》
《Untitled》
アーティゾン美術館の展示は、時系列で美術史を辿るように構成されているため、現代アートがどのような表現に至ったのかを理解するのにとても勉強になりました。
アーティゾン美術館
元々はブリヂストン美術館として知られていた美術館でしたが、2015年より新築工事のため休館していました。そして2020年1月にアーティゾン美術館と名前が代わりリニューアルオープンしました。広く芸術に触れる機会を与えてくれる思想から、当日も国内外の児童がたくさん訪れていました。
この展覧会は、抽象絵画の魅力と歴史を深く探求できる貴重な機会です。ぜひ、アーティゾン美術館の「ABSTRACTION 抽象絵画の覚醒と展開」を訪れ、その魅力を体験してみてくださいね。なお、最新の展覧会情報やチケットに関しては、アーティゾン美術館の公式ウェブサイトをご確認ください。
展覧会情報
展覧会名
ABSTRACTION 抽象絵画の覚醒と展開 セザンヌ、フォーヴィスム、キュビスムから現代へ
開催期間
2023年6月3日(土)~ 8月20日(日)
休室日
月曜日(7月17日は開館)、7月18日
開室時間
10:00〜18:00(8月11日を除く金曜日は20:00まで)
*入館は閉館の30分前まで
会場
アーティゾン美術館 6・5・4階展示室
Webサイト
https://www.artizon.museum/exhibition_sp/abstraction/
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