マティス展:フォービズムの巨匠が創り出す色彩とリズムの魅力

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20世紀芸術の巨匠アンリ・マティスの大回顧展が約20年ぶりに開催されました。パリのポンピドゥー・センターが世界最大規模のマティスコレクションを所蔵していることでも知られる中、今回の展覧会では名品約150点が紹介されました。フォーヴィスム運動の夜明け、マティス初期の傑作《豪奢、静寂、逸楽》も日本初公開です。このブログではマティス展の魅力をご紹介します。

マティス展
東京都美術館
目次

マティスの鮮やかな色彩とリズミカルなタッチが生み出す魅力

マティスの初期の自画像は暗めでしたが、色彩豊かでリズミカルなタッチが既に現れていました。マティスの最大の特徴である色彩について、彼は常に探究を怠りませんでした。 本展ではポンピドゥ・センターからの名作ばかりが揃っており、初期の作品にはセザンヌの影響を感じさせたものや、さらにシニャックによって提唱された分割描法を用いた《豪奢、静寂、逸楽》など、独自の世界観を持つ作品も展示されています。

マティスは、自身の作品に使われる色彩に関して深く探究し、色彩理論を独自に発展させた画家として知られています。その作品には暖かみのあるオレンジや赤、冷たい印象の青や緑など、様々な色が使用されています。また、赤の背景には補色である緑色の線を描くことで理論的な意図も込められた作品も存在します。

さらに、彼の作品は平面の絵ではあるものの、色彩によって空間や奥行きを表現しており、その独自の表現手法が彼の魅力の一つです。マティスのリズミカルなタッチは、フォービズムという芸術運動の中でも重要な位置を占めています。彼の作品は色彩やリズムによって観る人の感情や心を刺激し、魅了する力を持っています。

マティス展について

20世紀を代表するフランスの巨匠、アンリ・ マティス(1869-1954年)。純粋な色彩による絵画様式であるフォーヴィスム(野獣派) を生みだし、モダン・アートの誕生に決定的な役割を果たした彼は、84歳で亡くなるまでの生涯を、感覚に直接訴えかけるような鮮やかな色彩と光の探求に捧げました。彼が残した仕事は、今なお色あせることなく私たちを魅了し、後世の芸術家たちにも大きな影響を与え続けています。
世界最大規模のマティス・コレクションを所蔵するポンピドゥー・センタ ーの全面的な協力を得て開催する本展は、日本では約20年ぶりの大規模な回顧展です。絵画に加えて、彫刻、ドローイング、版画、切り紙絵、晩年の最大の傑作であり、マティス自身がその生涯の創作の集大成とみなした南仏ヴァンスのロザリオ礼拝堂に関する資料まで、各時代の代表的な作品によって多角的にその仕事を紹介しながら、豊かな光と色に満ちた巨匠の造形的な冒険を辿ります。

チラシより引用

彫刻やドローイングから得た洗練された技術

マティスは彫刻やドローイングを通して、自身の絵画技術を洗練させていきました。彼が彫刻に熱心に取り組んだのは、人体の動きや形を理解するためでした。それによりマティスは人体を自然に描くことができ、絵画作品に生命力を与えることができたのです。

また、マティスのドローイングには、線の強弱よりも線の動きや柔らかさが重要視しているように見えました。彼は独自の手法を確立し、描かれたものが生き生きとした印象を与えるようでした。これらの技術は、彼が後に制作する切り絵の作品にも生かされ、より洗練された作品を生み出すことに繋がったと考えられます。

マティスのシンプルな美学

芸術・文学雑誌ヴェルヴ
表示デザイン:アンリ・マティス

晩年になるにつれ、マティスは人物描写においてよりシンプルな表現に挑戦するようになりました。彼が手がけた切り絵「ジャズ」はその代表的な作品であり、人物の本質を捉えたシンプルな線が特徴的です。人物の動きを緻密に観察し、必要最小限の線で表現することで、独自の美学を追求していたと言えます。

それぞれの赤は赤のまま、それぞれの青は青のままだ、ちょうどジャズのように、ジャズではそれぞれの演奏者が、担当するパートに自分の気分、自分の感受性を付け加える。

アンリ・マティス
マティス 年譜

また、本展示では、ヴァンス・ロザリオ礼拝堂の映像も観賞することができます。この礼拝堂はマティスが設計したステンドグラスの美しさで知られており、青を基調としたステンドグラスが特に印象的なものです。本展示を通して、マティスが追求したシンプルな美学が伝わった方も多いのではないでしょうか。

自然の色彩

上野恩賜公園

東京都美術館の周りは緑が生い茂っていました。
当日は気持ちの良い快晴で早くも初夏を感じる天気でした。

近くのカフェにある花壇には色とりどりの花も植えられていました。
きっとマティスもこうした自然の色から独自の色彩感覚や作品の着想を得ていたのかもしれませんね。

展覧会情報

展覧会名
マティス展
Henri Matisse: The Path to Color

開催期間
2023年4月27日(木)~ 8月20日(日)

休室日
月曜日、7月18日(火)
※ただし、5月1日(月)、 7月17日(月・祝)、 8月14日(月)は開室

開室時間
9:30~17:30
※金曜日は20:00まで
※入室は閉室の30分前まで

会場
東京都美術館

Webサイト
https://matisse2023.exhibit.jp/

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