感情のノイズが訴えてくる
抽象絵画はシンプルに感情を訴えてくるように思います。
この作品《ビルケナウ》はアウシュヴィッツ強制収容所で密かに撮られた4枚の写真をもとに描かれたもの。本展でその写真の撮影許可はなかったのですが《ビルケナウ》の隣に展示されていました。
アウシュヴィッツ強制収容所で起きたこと、それがダイレクトに感情のノイズとして描かれたものが本作だと受け止めました。
この作品を読み解き続けると感情の渦の中に飲み込まれてしまいそうでした。
リヒターさんはこの作品を完成したあと、絵を描く喜びを知ったようです。自身の中に大きな荷物を抱えていたのでしょうか。
抽象のようで具象にも見える
ゲルハルト・リヒター
晩年のモネの睡蓮のよう、抽象絵画であるように見えて画家が描きたいものが浮かんでくるようです。篠田桃紅さんの時もそうでしたが抽象絵画は作品と対峙する時間が長いです。
カラー・チャート、色彩の遊びと言っても良いかもしれませんね。これ自体に何の意味があるかは分かりませんが強い印象があります。
芸術作品はそこに存在するだけで価値があるもの、逆に言うと存在価値を感じることができないものはアートと呼ぶには難しいのかも。
ゲルハルト・リヒター
そういえば、本展は東京都現代美術館でやっているもんだと勘違いしていました(笑)
東京国立近代美術館との違いは何でしょうね。あっちはもう少しデザインや商業的な要素が強いのかな、今度調べてみよう。
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