東京都美術館で開催中の「ゴッホ展 家族がつないだ画家の夢」(2025年9月12日〜12月21日)を鑑賞してきました。本展は、フィンセント・ファン・ゴッホの作品とともに、彼を支え続けた家族の物語に光を当てた展覧会です。写真撮影が許可されたのは、最後のイマーシブ・コーナーのみでしたが、その分、作品と真正面から向き合うことができました。会場全体に満ちていたのは、「孤独な天才」ではなく、「家族に愛された画家ゴッホ」の温かいまなざしです。

ゴッホの周囲にあった、同時代の光と影
展示の冒頭には、ベルナール、ゴーガン、マネといった同時代の画家の作品、そしてゴッホが影響を受けた日本の浮世絵(歌川広重や歌川豊国)も並びました。
彼が何を見つめ、何を吸収していたのか――時代の空気を感じられる構成になっていました。
絵筆のひとすじにまで「学びと模索」が宿り、世界中からインスピレーションを受けていたことが伝わってきます。

心に咲く、「花咲くアーモンドの木の枝」
本展には展示されていませんでしたが、ゴッホが1890年に描いた『花咲くアーモンドの木の枝』のエピソードがとても印象に残りました。
弟テオ夫妻の長男誕生を祝って贈られたこの作品は、新しい命と春の訪れを象徴しています。

精神病院に入院中でありながら、ゴッホは「希望」そのものを描いたのです。
「兄さんの名前をつけるよ」と告げられたときの彼の胸中を思うと、
その枝に咲いた一輪一輪の花が、まるで命の輝きのように感じられました。
また、ゴッホ自身の言葉——
「音楽のように、心を慰めるものを描きたい」
という一文も胸に響きました。
筆跡や色彩のうねりの奥には、見る人の心に寄り添おうとする優しさがありました。
テクノロジーが再生する“生きた筆致” ― イマーシブ・コーナー体験

展示の最後に待っていたのは、幅14メートルを超えるイマーシブ空間。
『ひまわり』や『カラスのいる麦畑』、『花咲くアーモンドの木の枝』などが映し出され、
まるでゴッホの筆の中を歩くような体験ができました。




『ひまわり』の厚塗りの質感が光に照らされて浮かび上がる瞬間、
『カラスのいる麦畑』では、実際にカラスが飛び立ち、風の音が響く。
まるでゴッホが見た景色の中に入り込んだような没入感でした。


また、筆跡から徐々に自画像が浮かび上がる演出は、
「生きる」という行為そのものがアートであることを思い出させてくれます。
彼の作品は、時代を超えてテクノロジーと響き合う普遍性を持っていました。
絵描きとして感じた、ゴッホの「希望」
ゴッホは精神の不調と戦いながらも、常に絵筆を握りつづけた人でした。
「芸術は苦しみの中に咲く花である」という言葉があるように、
彼の色彩には痛みと希望が共存しています。

隣り合う色彩の効果、同系色の中で命を感じさせる構成力。
『ひまわり』に宿る黄金の輝きや、アーモンドの枝に咲く白い花。
どの作品にも、「それでも生きようとする希望」が満ちていました。
現代のテクノロジーと融合してもなお、
その力強さと温度を失わない——ゴッホはやはり天才です。
持ち帰る色彩──美しいグッズたち
鑑賞後は、つい足を止めてしまうグッズコーナーへ。
今回はブックカバーを2点と、『ひまわり』モチーフのクッキーを購入しました。

ゴッホ展のグッズはいつもセンスが抜群。
『ひまわり』の黄色、『ローヌ川の星月夜』を思わせる深い藍色――。
それらの色彩は、まるでゴッホの絵のかけらを日常に持ち帰るような感覚でした。
この展覧会のテーマは「家族がつないだ画家の夢」。
ゴッホの弟テオ、そしてその妻ヨーをはじめ、
彼の作品を守り続けた家族の愛が、今も私たちの心に光を届けています。
孤独な画家の物語ではなく、家族と希望の物語としてのゴッホ。
その夢のバトンを、今、私たちが受け取る番なのかもしれません。
展覧会情報:東京展
展覧会名
ゴッホ展 家族がつないだ画家の夢
開催期間
2025年9月12日(金)—12月21日(日)
※土日、祝日および12月16日(火)以降は日時指定予約制
開館時間
9:30-17:30、 金曜日は20:00まで
※入館は閉館の30分前まで
休館日
月曜日、 9月16日(火)、 10月14日(火)、 11月4日(火)、 11月25日(火)
※9月15日(月・祝)、9月22日(月)、10月13日(月・祝)、11月3日(月・祝)、11月24日(月・休)は開室
Webサイト
https://gogh2025-26.jp/
会場
東京都美術館
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