このブログは自由大学で受講した「共生のシャーマニズム学」の最終日に発表した『ひびきのはじまり』の内容を編集したものです。
ひびきのはじまり
シャーマニズム学の講義を受けて何かが劇的に変わったわけではない。
ただ、「はじまり」が始まった。
その過程を追っていきたい。
キッカケ
今ひとつ納得いく作品が描けなかった。
ある日、EGO-WRAPPIN’ のライブに行った。
ボーカルがステージの上で“何か入り込んでいく”、その感覚を目の当たりにした。
アドレナリンなのか、集中力なのか、何のか。
ライブが始まると、噺家が寄席全体を支配するかのように会場の空気を歌で変えた。
私たちは目には見えないが、誰かが発する“何か”を、受け手として感じられる。
振り返れば、“入る”と画材の伸びが違うことに気づいた。
自分の創作活動のヒントになればと思った。
シャーマニズム学はそのキッカケだった。
共生のシャーマニズム学
初回の授業で「シャーマンはコミュニティの滞りをなくす」「メッセージを繋ぐ」「インタラクティブに送り出す」「常に通すイメージ」「ご先祖様からの物語」と習った。
家に帰り、自分の内側にある“滞りを通す”ことから始めた。
わずかに作品に変化が出た、エグ味が減ったのだ。
呼吸法と瞑想の講義を受けてから、絵を描く時間に音楽を流さなくなった。
“無”の状態を体現したからだ。
楽曲というアーティストの力が自分の内側へノイズとなり、折り合いがつかなくなった。
“無”の状態を知ったことで、“心のざわめき”を感じられるようになった。
年が明け、講師SUGEEさんのパフォーマンスを体に受けた。
「シャーマンはコミュニティの滞りをなくす」を思い出した。
その場の空気が変わった。
“そこにいる、存在する、ここにある”
人が生み出したものがその場の環境を変化させることを改めて体感した。
四回目の授業で多肉植物を植えた、鉢が大きく土が足りず苦戦した。
持ち帰ってから毎日顔をのぞいている。
土を買い足し、陽が当たるようにした。
植物と共生する生活が始まった。
自身のルーツ
もう一つ、受講する中で自身のルーツを調べるキッカケができた。
自分の「ご先祖様」についてだ。
遡ると確かに礼法作法の小笠原流の家系につながる。
祖父の兄の家系が宗家にあたった。
【小笠原流礼法の四つの教え】
- 正しい姿勢の自覚
- 筋肉の働きに反しない
- 物の機能を大切にする
- 環境や相手に対する自分の位置(間柄や間)を常に考える
小笠原流の礼法は形式を押し付けるだけでは礼の意味がなく、「なぜそうするのか、なぜそうなるのか」この二つのことが礼にとって大切と説いている。
ただ体を曲げた“形だけのお辞儀”には意味がなく、相手に対する気持ちが心になければならない。
“気持ち”が先に立つことが大切だと。
礼をすることによって、互いに気持ちが響かなければならない。
この“ひびき”の交流が、お辞儀の意味を生かし、お辞儀の形を生かしてくれると。
これまでと、これから
デザイナー、ディレクター、PMとキャリアチェンジをしていく中で、チームビルディングや心理的安全性に関心を持つようになった。
自身の経験の中で心理的安全性が無い環境で苦しんだことが影響している。
意思疎通や人間関係で人が不幸になるのが悲しい。
この春から組織作りに関わる採用・人事を任せてもらうようになった。
“礼節を持ってコミュニティの滞りをなくす”ことが目下の課題になった。
能登半島地震の後に描いた羊の絵がある。
「安心して眠れる日が来ますように」と添えてSNSで発信した。
珍しく、見ず知らずの方からコメントが届いた。
絵描きとして「木漏れ日」をキーワードに活動していた。
「暮らしの中にある光と影をテーマに描く」と。
光と影、その両方を描こうと思っていた。
しかし違うと思った。
光と影、その両方を受け止め、“自分を通して昇華させる”こと。
その絵が“ひびきの交流の始まり”なのだと。
今は花を描いている。
花を贈ることは世界共通で言葉のいらないメッセージになる。
おわり。
共生のシャーマニズム学
「シャーマン」と聞くと人によっては様々な解釈を持たれる。元々この講義は講師のSUGEEさんが旅先で出会った民族の話を伝えることから発展したらしい。ある意味で文化人類学のようだ。
日本のみならず、アフリカや南米の民族にいるシャーマンについてだ。
話を聞くだけで興味深いものばかりだった。
以前映画で見た「民謡」にも通ずるものがある。
現代社会の中で受け継がれてきたものが断絶されている。
しかし、僅かだがこれまで断絶してきたものの重要性を唱える動きも出てきた。
【小笠原流礼法の四つの教え】もとても興味深かった。
小笠原流礼法の四つの教え
- 正しい姿勢の自覚
- 筋肉の働きに反しない
- 物の機能を大切にする
- 環境や相手に対する自分の位置(間柄や間)を常に考える
絵を描き始めて“入らない”時は、姿勢も崩れ体が滞っている、画材も上手く使えておらず、キャンバスとの距離感も近すぎたり、ここに在らずであった。また人との距離感にも同様のことが言え、全て今の自分に通じるものがあった。
「シャーマンはコミュニティの滞りをなくす」
講義を受けるにつれ、その意味が段々とわかってきた。
メッセージを送ることでコミュニティの循環を良くする役割がある。
村社会から勤め先、家族や国や地域社会まで、滞りを無くし癒していくことが大切になってくる。
初めに述べたように、講義を受けたことで何か劇的な変化が起きたわけではない。
ただ、明らかに、確かな変化が起きたことに間違いない。
「はじまり」が始まった。
それは自分自身の滞りを無くし、自分を大切にするところから始まった。
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Tomorebiは、Tomo + Komorebi(木漏れ日)から生まれた言葉です。
「光が当たる場所とそこに映る影を描く」ことをテーマに日々の暮らしに寄り添う作品を描いています。
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