時が止まったような瞬間を求めて、二眼レフカメラを手に秋の丸の内と横浜の街へと足を運びました。今回の撮影で選んだのは、LomoChromeの2種類のフィルム。都市の表情を新たな視点で切り取るべく、「Metropolis」と「Color ’92 Sun-kissed」という個性の異なるフィルムを携えての撮影となりました。
フィルムが紡ぐ時間の織物
デジタルカメラが当たり前となった現代において、あえて12枚しか撮れないブローニーフィルムを選ぶ理由。それは、一枚一枚に込める思いの重さにあります。シャッターを切る瞬間、その場の空気感、光の温度、そして時の流れまでもが、粒子の中に封じ込められていく。完璧を求めて慎重に構図を練る時間と、直感的に決断するシャッターチャンスの狭間で、私たちは新しい表現の可能性を探ります。
新旧が織りなす都市の風景
フィルムカメラならではの特性を活かし、光と影のコントラストを意識的に捉えていきました。それは単なる明暗の記録ではなく、都市の中に潜む詩的な瞬間を切り取る試みでもありました。地と図のバランスを慎重に見極めながら、時には自分で影の形を作り出し新しい表現を模索しました。
丸の内 – 凝縮された時代の交差点
重厚な新丸ビルと周辺の近代建築が作り出す都市の律動。文化の日という特別な日に街には日の丸の旗が翻り、石畳の上に落ちた銀杏の葉が秋の情景を演出していました。LomoChrome Metropolis のフィルムは、その粒子の粗さで歴史的建造物に新しい表情を与え、現代建築との対比を鮮やかに描き出しました。
横浜 – 進化し続ける港町の物語
赤レンガ倉庫の歴史的たたずまいと、2021年に誕生したYOKOHAMA AIR CABINが象徴する未来。Color ’92 Sun-kissed のノスタルジックな色調は、この新旧の調和を柔らかく包み込みました。丸の内がコンパクトに凝縮された時間を表現するのに対し、横浜では港町特有の開放感のある空間の中で、時代の層が重なり合う様子を捉えようと試みました。
現像から広がる期待と発見
デジタルカメラと違い、撮影時には確認できない画像。それは不安でもあり同時に大きな期待でもあります。現像後に明らかになる各フィルムの個性は、私たちの予想を裏切ることもあれば、思いがけない発見をもたらすこともあります。特に横浜での撮影では、人混みや露光調整に苦心しながらも、その制約の中で新しい表現の可能性を見出すことができました。
二眼レフカメラとLomoChrome フィルムを通して見た都市の風景は、デジタルでは表現できない独特の詩情を帯びていました。それは技術的な制約がもたらす創造性であり、アナログならではの温かみであります。これからも、フィルムカメラを通して、都市の新たな表情を探り続けていきたいと思います。
使用したフィルム
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Tomorebiは、Tomo + Komorebi(木漏れ日)から生まれた言葉です。
「光が当たる場所とそこに映る影を描く」ことをテーマに日々の暮らしに寄り添う作品を描いています。
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