藤田嗣治「7つの情熱」展レポ──乳白色と静かな変容の旅

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SOMPO美術館で開催中の「藤田嗣治 7つの情熱」展に行ってきました。
(※展示は撮影NGなので、この記事にある写真はすべて館外です)

今年は藤田嗣治 生誕140周年記念という節目。
全国巡回中のこの展覧会は、彼の画業の核心にある「7つの情熱」 ──「自己表現」「風景」「前衛」「東方と西方」「女性」「子ども」「天国と天使」 というテーマに沿って構成されています。

目次

緻密で完璧、それゆえに息を呑む線

最初に感じたのは、その線が持つ異様なまでの精度
細く、軽やかでありながら、一切のためらいも無駄もなく引かれた線には、静かな緊張感があります。

絵を見るというより、精神の静けさと張り詰めた集中に触れるような感覚。 線が美しいというより、線が「決意」に近いと感じました。

陶器のような乳白色と風景

藤田といえばやはりあの「乳白色」。
とろけるような白ではなく、焼き物のような冷たさと張りがある白。
それが人物の肌だけでなく、背景や空気感にも及んでいるのが印象的でした。

まるで画面全体に磁器の皮膜がかかっているような、不思議な質感。

フランスで、日本人として戦い続けた

パリで評価され、成功をおさめながらも、
そこに居続けるためには「日本人」としての振る舞いを貫きながら、
一方で「西洋の画家」として描く必要があった。

絵の表層ではなく、藤田という人の人生そのものが、戦いの軌跡だったことが伝わってきました。

戦後、カトリックの洗礼を受けてから──

戦争画を描いたことへの葛藤。
その後、フランスでカトリックの洗礼を受け、レオナール・フジタとして名を変えた晩年。
あのとき、彼は何を思っていたのだろう。

宗教画や教会装飾に向かう流れには、単なる創作以上のものがにじんでいたように感じます。

展示構成がとにかく良かった

この展覧会、7つの情熱という視点から、藤田の内面に迫る構成がとても印象的でした。

  • 自己表現
  • 風景
  • 前衛
  • 東方と西方
  • 女性
  • 子ども
  • 天国と天使

作品をただ時系列に並べるのではなく、創作の源泉そのものをたどるような体験。 画家の変容や揺れ、信仰や喪失といった静かな情熱に触れることができる展示でした。

帰り道、藤田の描いた人物のような人がいた

展示を見終えて、外に出たとき、
藤田が描いた西洋人のような雰囲気をまとう人を見かけて、思わず写真を撮ってしまった。

まるで彼の線が、現実ににじみ出てきたかのような光景。

展覧会情報

展覧会名
藤田嗣治 7つの情熱

開催期間
2025.04.12(土)- 06.22(日)

開館時間
10:00 – 18:00(金曜日は20:00まで)
(入館は閉館30分前まで)

休館日
月曜日(ただし5月5日は開館)/5月7日

会場
SOMPO美術館

Webサイト(SOMPO美術館)
https://www.sompo-museum.org/exhibitions/2024/tsuguharu-foujita/

藤田嗣治 生誕140周年記念特設サイト
https://tsuguharufoujita.jp/

SOMPO美術館

変わること。
変わりながら、何かを守り続けること。
その両方を貫いた藤田嗣治という画家の、しずかな熱を受け取る展覧会でした

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