深遠な体験「大地に耳をすます 気配と手ざわり」をレビュー

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東京都美術館で開催されている展示会『大地に耳をすます 気配と手ざわり』を訪れました。地下に広がる会場に足を踏み入れると、エスカレーターで降りる瞬間から日常の境界を越え、大地の奥深くに入り込むような感覚が私を包み込みました。まるで地球の心臓に触れるかのような不思議な高揚感が胸に広がりました。

目次

大地に耳をすます 気配と手ざわり

本展では自然に深く関わり制作をつづける現代作家5人をご紹介します。野生動物、山の人々の生業、移りゆく景色や植生、生命の輝きや自然の驚異を捉えた作品は、自然とともに生きるつくり手の瑞々しい歓喜に溢れています。同時に、ときに暴力的に牙をむき、したたかな生存戦略をめぐらせる自然の諸相を鮮烈に思い起こさせ、都市生活では希薄になりがちな、人の力の及ばない自然への畏怖と敬意が感じられます。未開の大自然ではなく自然と人の暮らしが重なる場から生まれた彼らの作品は、自然と人の関係性を問い直すものでもあります。 古来人間は、自然の営みに目を凝らし、耳をすまし、長い年月をかけて共生する術を育んできました。自然に分け入り心動かされ、風土に接し生み出された作品は、人間中心の生活のなかでは聞こえにくくなっている大地の息づかいを伝えてくれます。かすかな気配も捉える作家の鋭敏な感覚をとおして触れる自然と人のあり様は、私たちの「生きる感覚」をも呼び覚ましてくれるでしょう。

出品作家(五十音順):榎本裕一、川村喜一、倉科光子、ふるさかはるか、ミロコマチコ

公式サイト

『大地に耳をすます 気配と手ざわり』というテーマは、私にとって非常に深い意味を持ちました。自然と向き合い、その中に潜む不都合な真実や不便さに目を向けることの重要性を感じました。普段は見過ごしがちな自然の声に耳を傾けることで、新たな感性が芽生えることを実感しました。

アーティストとしての矜持

個人的に特に印象に残った2名のアーティストをご紹介します。

ミロコマチコ

まず、大ファンであるミロコマチコさんの作品に再会できたことは、この展示会の大きなハイライトでした。彼女の作品は、荒々しく力強いタッチと原色や混色の大胆な使い方が特徴です。その一つ一つの筆致には、自然への深い敬意と情熱が感じられ、見る者の心を強く揺さぶります。

会場内で上映されていたライブペイントの映像では、森の中で自由に描く彼女の姿が映し出され、その瞬間、私は自然と一体化し、彼女の描く世界に引き込まれるような感覚に陥りました。木パネルに触れる音、風に揺れる木々のざわめき、そのすべてが一つの生命体のように感じられました。

ふるさかはるか

ふるさかはるかさんの作品も非常に印象的でした。彼女は自ら採取した土や藍を用いて絵具を作り、それを用いて版画を制作しています。そのプロセスを知ることで、自然の素材と真摯に向き合いながら作品を生み出す彼女のアーティストとしての矜持と深い敬意を感じました。

特に、彼女が色を調整している姿は、その一瞬一瞬に自然との対話が感じられ、目に焼き付きました。彼女の作品からは、大地の息づかいと人間の営みが見事に融合した瞬間が感じられました。

自身への影響と今後の創作活動

この展示会は、都市やデジタル社会で閉鎖的になりがちな私の感性を呼び覚ましてくれました。展示会で感じた自然の気配をもっと感じたい、そしてその感性を鋭く尖らせたいという強い思いが芽生えました。

今後の作品制作においては、展示会で得たインスピレーションを反映させたいと思います。力強い絵、自然への尊敬と敬意、そして感性を鋭く尖らせることに集中していきたいです。

『大地に耳をすます 気配と手ざわり』は、私にとって非常に貴重な体験でした。この展示会を通じて得たインスピレーションや学びを、これからの創作活動に生かしていきたいと思います。自然の中で感じたすべての感情、すべての瞬間が、私の作品に、新たな生命を吹き込んでくれることでしょう。

展覧会情報

展覧会名
大地に耳をすます 気配と手ざわり
The Whispering Land: Artists in Correspondence with Nature

開催期間
2024年7月20日(土)~10月9日(水)

開館時間
9:30~17:30、金曜日は9:30~20:00
*入室は閉室の30分前まで

休館日
月曜日、9月17日(火)、9月24日(火)
※ただし、8月12日(月・休)、9月16日(月・祝)、9月23日(月・休)は開室

会場
東京都美術館 ギャラリーA・B・C

展示会公式サイト
https://www.tobikan.jp/daichinimimi/index.html

大地に耳をすます 気配と手ざわり

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