#12 箱詰めみかん

当サイトは広告・プロモーションを含みます(詳細はプライバシーポリシーへ)。
短編絵画

『ありがとうございましたー!』

ガチャン。

宅配のお兄さんが階段を降りた音を確認してから玄関の鍵を閉める。

「重いな。」

ダンボールの中はみかん。
所狭しと詰め込まれたみかんだ。

木の上で実った果実たちはこんな風に詰め込まれるとは思ってもみなかっただろう。

「さて、今のうちに裏返すか。」

箱詰めみかんの話になると必ず『みかんは裏返した方が良い』と返事がくる。
これは一つの挨拶だと思っている。

これだけ沢山の人間が言うくらいだ、みんな知ってるだろう。
と、喉の上まで込み上げる言葉を元に戻す。

“溜飲を下げる”という言葉があるがこれではちっともスッキリしない。
別の意味で使われるのは知ってはいるが言葉とは何とも都合の良いものだ。

それにしても思う、初めからダンボールを逆さまに開ければ良いのでは?と。

「いや、しかし待て待て。」
農家さんは親切に逆さまに入れてくれているかもしれない。

とりとめないことを考えながら蓋を開ける。
セザンヌの絵のようにぼってりとしたみかんがバラバラの方を向いている。

不揃いのみかんを手に取る。
さて、食べ切れるかな。

箱詰めみかん

あわせて読みたい:短編絵画シリーズ

ライフコーチング「渡り。」

自分の中にあるものを見つめ、
これからを実際の人生でどう生きていくかを探る対話。

「渡り。」では、悩みや違和感だけでなく、
まだ言葉になっていない願いや、これから生きてみたい可能性も扱います。

問いと対話を通して、感情や身体感覚も手がかりにしながら、
その人自身の感覚と思考を大切に、これからを一緒に探っていきます。

答えや行動を急ぐのではなく、
内側で見えてきたものを、仕事や人間関係、創作、暮らしなど、
実際の人生でどう生きていくかまで見ていくライフコーチングです。

「渡り。」について詳しく見る

ご希望の方は、公式LINEを追加して、「コーチング希望」とメッセージをお送りください。
※体験セッションのみでもご参加いただけます。継続を強くおすすめすることはありません。

あわせて読みたい:コーチングレポート

短編絵画

この記事が気に入ったら
いいね または フォローしてね!

よかったらシェアしてね!
  • URLをコピーしました!
  • URLをコピーしました!