彫刻刀が刻む戦後日本―2つの民衆版画運動

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町田市立国際版画美術館

町田駅を降り、高低差のある坂道をひたすら下ったところに美術館はありました。きっと日本坂道学会副会長のタモリさんはこの坂道好きだろうなと思いながら歩きました(笑)

今回はもう出オチですがメインビジュアルにあるこの作品「天馬と牛と鳥が夜空をかけていく」をお目当てに訪れました。ジブリ映画「魔女の宅急便」のウルスラの絵の元になった作品で有名ですね。

ここは銅版画の工房もあり行ってみたいと思っていました。ただちょっと遠いのが難点(笑)版画をメインに取り扱っているのは珍しいですよね。ホームページのURLも「hanga-museum.jp」ですから潔いです。芹ヶ谷公園のの中に佇む美術館、とても綺麗でした。

「人間の想像力」

戦前戦後の版画はどこか暗く影の深い印象でした。
美術や音楽、どんな芸術作品も暗い時代の作品はどこか影が濃く、暗い印象があります。これらの時代は版画を情報を伝えるためのツールとして使われていたんですね。

第4章から写真撮影が可能で「ライフワークと版画」がテーマに展開されていました。ここからは芸術性や作家個人の感性も観え、鑑賞していて楽しかったです。

そういえば、さりげなくパブロ・ピカソのリトグラフもありました。鳩の作品だったのですがやっぱり遠目でも目が惹きますね(写真NGでした)。

白と黒で表現する木版画に奥行きや立体感があります。線、クロスハッチングの技法も使いながら明度の違いが出ています。

ただそれ以上に「人間の想像力」もあるのではないかと思います。芸術作品に触れた時にどこまでも広がる世界に入る時があります。

繊細さと根気、情熱を注がないと誤魔化しきれない版画作品には人の想像力を刺激するものが多いと思いました。

「憧れは途方も無い」

『虹の上をとぶ船・総集編』

目の前に広がる作品の世界観、スケールの大きさに圧倒されました。なかなか機会がなかったのですがやっとこの連作を観れました。

ここまでの大作を目にすると縮こまっている自分の作品がバカらしいし、「もっと大きなもの、そして自分の絵を描かなきゃ」と本当にそう思います。

『虹の上をとぶ船・総集編(2)』より《天馬と牛と鳥が夜空をかけていく》

「『憧れ。』なんて素敵で途方もない言葉なんでしょう。」と言ったのは誰だったかな。「自分の好きなものはこれ!」とハッキリと言える作品です。

ウルスラの絵は自分にとって絵を描く原点というか、心象風景です。その絵のオリジナルを目を前にして気が引き締まる思いです。

キッズゲルニカ

初めて知りました「キッズゲルニカ」と言う作品があるんですね。後で調べてみるとこうした運動は全国でも行っているようです。この巨大作品に驚きました、横幅4メートルはあるかな(ざっくり)。

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Tomorebiは、Tomo + Komorebi(木漏れ日)から生まれた言葉です。
「光が当たる場所とそこに映る影を描く」ことをテーマに日々の暮らしに寄り添う作品を描いています。
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